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本?EジャンチE width= 2009年E月15日更新 

 

中 国 仏 教 入 門


中国仏教四大聖地

1.普陀山(観音菩薩・観自在菩薩)  浙江省

普陀山は中国・浙江省上海より南東に位置し舟山群島約1300もの島々の中、
南海に浮かぶ中国四大仏教聖地「観音菩薩」信仰の島として発展し今日に至っている、
信仰と景勝地で年間270万人もの方々が訪れている。

開祖は日本から五台山へ留学修行された「慧鍔大師」で
帰国時「観音像」を頂き持ち帰えろうとして
寧波から出港途中、時化(しけ)に遭い舟が動かなくなり、
観音様が行きたくないのではないかと
上陸したのが「普陀山」で、庵を設け、祭られたのが起源である。

正に「南海浄土の観音聖地」に相応しく
普済禅寺を始め、法雨禅寺、慧済禅寺、不肯去観音院、紫竹林禅院、
南海観音立像、西方浄苑、普門万仏宝塔、梅福庵、円通庵、楊枝庵、隠秀庵ほか
数多くの庵や潮音洞、観音洞、磐陀石・心字石、百歩沙・千歩金沙海浜等
「普陀山」は「山と海」が一体となった中国でも有名な景勝地になっている。

船着場の近くの食堂で、鯛の煮物(薄味ですが、醤油で甘辛く煮ている)や、
高菜の漬物の油いためを食べましたが、
九州(福岡県)生まれの私には懐かしく、九州の食の起源に来たようでした。


2.五台山(文殊菩薩) 山西省

五台山は中国・山西省東北部の五台県にある、標高3058mで古来からの霊山である、
仏教では「文殊菩薩」の聖地として
唐代の最盛期より信仰を集めて今日に至っている、

別名「清涼山」といわれ、山名の由来はこの山が五つの主要な峰によってされている。
東台 望海峰・西台 桂月峰・南台 綿綉峰・北台 葉顕峰(最高峰)・中台 翠岩峰からなっている

山内には北魏の時期に「大浮国寺」という寺が建立され
多数の山岳寺院が建立された、
繁栄時300以上の寺が林立していたそうで観音菩薩の霊場である普陀山と
普賢菩薩の霊場である峨眉山と並んだ中国仏教の聖地とされており
五台山内には約40もの寺院が存在している

日本の平安時代から鎌倉時代の入唐僧や入宗僧が多いなか天台山と共に
この五台山を訪れ、学んで、日本で仏教を広めた『慧鍔大師』も
この内の一人で『普陀山』開創の礎となられた( 1.普陀山(観音菩薩・観自在菩薩)  浙江省 参照)

日本では、文殊菩薩は知恵の仏と呼ばれ、
「三人寄れば文殊の知恵」ということわざは、この文殊菩薩から来ています。


3.蛾眉山(普賢菩薩) 四川省

峨眉山は成都の南西に所在する最高峰3,099メートルの万仏頂からなる
山岳信仰の対象で道教の聖地で
3~4世紀の晋代の頃から仏教の聖地として重要性を増し
『普賢菩薩』を祀る地として明・清代までに100近い仏寺が築かれ、
山西省の『五台山』、浙江省の『普陀山』、安徽省の『九華山』とともに
中国四大仏教山と称されるようになった。

峨眉山の名は連なる山々が美しい女性の眉を連想させることからついたといわれ
明代創建の『報国寺』本堂・普賢殿には象に乗った『普賢菩薩』が祀られ
大雄宝殿には金色の『釈迦如来像』が安置され、
峨眉山で最古に創建された『満年寺』はセン殿(土を焼いて長方形にした平たい板でできた)
というドーム形のレンガ造りの本殿は、梁も柱も無い『無梁殿』の型式で造られている。
ここに『六本の牙』を持つ白象に乗った『普賢菩薩』像が祀られている。

ロープウェイで登頂再建を繰り返し近年創建された『永明華蔵寺』は
標高3,077メートル金頂の絶壁を背にした寺もあり、
『一日の中に四季があり、五キロ進めば天候が異なる』といわれる程の
変容と大自然の光景が見られる。

普賢菩薩は、「普く賢い者」の意味であり、
彼が世界にあまねく現れ、仏の慈悲と理知を顕して、人々を救う賢者である事を意味します。
また、女人成仏を説く法華経に登場することから、特に女性の信仰を集めました。
密教では菩提心(真理を究めて悟りを求めようという心)の象徴とされ、
同じ性格を持つ金剛薩?と同一視されるので、しばしば金剛薩?の別名でもある、
金剛手菩薩(こんごうしゅぼさつ)とも呼ばれます。


4.九華山(地蔵菩薩) 安徽省

九華山は地蔵信仰の聖地として五台山、
峨眉山、普陀山とともに中国仏教四大名山の一つに数えられ、
主峰である十王峰を始め天台峰、蓮花峰、天柱峰からなる90余の峰々が連なっている。
唐代の詩人 李白 が
『遥かに九華峰を望む』と詠ったことで『九華山』と呼ばれるようになった。

唐代に渡来した新羅の『金覚』が最初の『化域寺』を開き苦行のすえ成仏し
『地蔵菩薩』の化身と崇められ祀られ信仰が盛んになり現在に至っている。
 
地蔵菩薩は、大地が全ての命を育む力を蔵するように、苦悩の人々をその無限の大慈悲の心で包みこみ、
救う所から名付けられたとされます。
日本では、一般的には「子供の守り神」として信じられており、
よく子供がよろこぶお菓子が供えられています。
一般的に、親しみをこめて「お地蔵さん」、「お地蔵様」と呼ばれます。

釈尊が入滅し、弥勒菩薩がこの世に現れるまでの仏のいない時代に、
地獄・飢餓・畜生・阿修羅・人・天の六道に輪廻(さまようこと)して苦しむ人々を救うという菩薩です。

髪がない剃髪、袈裟を身に着ける僧形で立像が多く、左手に宝珠を持つ像と、
左手に宝珠、右手に錫杖をとる例が多く、まったく持物を持たない場合もあります。

地蔵の地は大地を意味します。大地は私たちの衣食住から金銀財宝に至るまで、
いろいろなものを与えてくれます。
お地蔵さまも同様に私たちにいろいろな恵みを与えその生活を護持するところから、この名前がつきました。
安産・健康・長寿・智恵・豊作・求財などにご利益があります。